適正使用ガイド

症例選択 特定の背景を有する患者に関する注意

特定の背景を有する患者に関する注意

「特定の背景を有する患者に関する注意」に該当する症例では、重篤な副作用が発現するおそれがありますので、本剤の投与が適切と判断される症例にのみ、慎重に投与してください。

特定の背景を有する患者に関する注意 投与後のチェックポイント
合併症・既往歴等のある患者
骨髄抑制のある患者(重篤な骨髄抑制のある患者は除く)
骨髄抑制が増強するおそれがある。
頻回の臨床検査
臨床症状の観察(下痢、口内炎、発熱、咽頭痛等)
感染症を合併している患者
骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある。
頻回の臨床検査
臨床症状の観察(発熱、咽頭痛等)
耐糖能異常のある患者
耐糖能異常が悪化するおそれがある。
定期的な血糖値等の測定
血糖値の十分なコントロール
間質性肺炎又はその既往歴のある患者
間質性肺炎が発現又は増悪するおそれがある。
臨床症状の観察(呼吸状態、咳、発熱等)
定期的な胸部X線検査
心疾患又はその既往歴のある患者
症状が悪化するおそれがある。
臨床症状の観察(胸痛等)
消化管潰瘍又は出血のある患者
症状が悪化するおそれがある。
臨床症状の観察(腹痛、血便等)
B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。
本剤が投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。
定期的な肝機能検査
肝炎ウイルスマーカーのモニタリング
腎機能障害患者
重篤な腎障害のある患者
投与しないこと。
腎障害のある患者(重篤な腎障害のある患者は除く)
フルオロウラシルの異化代謝酵素阻害剤ギメラシルの腎排泄が低下し、血中フルオロウラシル濃度が上昇し、骨髄抑制等の副作用が強くあらわれるおそれがある。
頻回の臨床検査
臨床症状の観察(下痢、口内炎、発熱、咽頭痛等)
肝機能障害患者
重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。
肝障害のある患者(重篤な肝障害のある患者は除く)
肝障害が悪化するおそれがある。
定期的な肝機能検査
問診(食欲不振、全身倦怠感等)
生殖能を有する者
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。
患者の状態の観察
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。テガフール・ウラシルを投与された女性において奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、動物実験で催奇形作用の報告(妊娠ラット及びウサギ(テガフール相当量7mg/kg、1.5mg/kg)の連日経口投与で胎児の内臓異常、骨格異常、化骨遅延等が認められている)がある。
授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行したとの報告がある。
患者の状態の観察
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
頻回の臨床検査
患者の状態の観察

*重篤な骨髄抑制に先行し下痢、口内炎を認めた報告があります。