適正使用ガイド

用法及び用量(投与方法)

投与方法

1. 単独投与(A法の場合)

本剤を朝食後及び夕食後の1日2回、28日間連日経口投与し、その後14日間休薬してください。
これを1コースとして投与を繰り返してください。

単独投与

休薬期間

休薬期間は14日間です。
治療上やむを得ず休薬期間を短縮する必要がある場合には、本剤の投与によると判断される臨床検査値異常(血液検査、肝・腎機能検査)及び消化器症状が発現せず、安全性に問題がないことを確認した上で実施してください。ただし、その場合であっても少なくとも7日間の休薬期間を設けてください。
なお、手術不能又は再発乳癌においては休薬期間の短縮を行った場合の安全性は確立しておりません。(使用経験はありません。)

食後投与

基礎的検討(ラット)において空腹時投与ではオテラシルカリウムのバイオアベイラビリティが変化し、フルオロウラシルのリン酸化が抑制されて抗腫瘍効果の減弱が起こることが予想されますので、食後投与としてください。

2. ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法

内分泌療法剤と同時に、エスワンタイホウを朝食後及び夕食後の1日2回、14日間連日経口投与し、その後7日間休薬してください。これを1コースとして、最長1年間投与を継続してください。
Day1の朝食後に内服できない場合は、夕食後から内服を開始してください。ただし、その場合はDay15の朝食後まで内服を行ってください。

併用する内分泌療法剤(選択的エストロゲン受容体モジュレータ±卵巣機能抑制、アロマターゼ阻害剤)も継続してください。
なお、治療期間中の内分泌療法剤の変更は可能です。

ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法

主な適格基準
  • 1. 組織学的に浸潤性乳癌注1)と診断された女性
  • 2. 初診時StageⅠ~StageⅢA及びStageⅢB注1)で根治手術が施行されている
  • 3. ER陽性である注2)注3)[免疫組織学的方法(IHC)で陽性細胞1%以上]
  • 4. HER2陰性である注2)注3)[ IHCスコア0又は1+である、又はHER2遺伝子増幅検査(FISH、DISH等)でHER2/CEP比が1.8未満である]
  • 5. 再発リスクが中間以上注4)である(「再発リスクの評価」に従う)
  • 6. 手術日から1年以内、術後内分泌療法を開始後6カ月以内である
  • 7. 仮登録時の年齢が20歳以上、75歳以下
  • 8. 仮登録前14日以内の臨床検査値で主要臓器機能が保持されている
  • 9. 患者本人から文書による同意が得られている

注1):乳癌取扱い規約第16版(2008)の分類を用いた

注2):ER、HER2の判定は、「薬物療法実施前の針生検組織」又は「手術標本」のどちらか一方の結果で判断可とする針生検組織、手術標本の両方の結果があり、判定が異なる場合は、ERはどちらか一方が陽性で適格、HER2は両方陰性で適格とする

注3):仮登録時に中央判定の為の針生検組織又は手術標本を提出すること(中央病理判定手順書に従う)

注4):承認された効能又は効果と再発リスクの記載が異なるが、定義は同じである

エストロゲン受容体陽性HER2陰性乳癌に対するS-1術後療法ランダム化比較第Ⅲ相試験、大鵬薬品社内資料(2022)
(ティーエスワンの承認時評価資料)

「7. 用法及び用量に関連する注意」の項をご参照ください。