私たちに刻みこまれたDNA。

私たちに
刻みこまれたDNA。

外用剤事業

岡山大鵬は、実に70年以上にわたって外用剤の研究開発、既存製品の改良に努めてきました。
鎮痛消炎パップ剤や外用副腎皮質ホルモン剤であるステロイド剤こそは、私たちの DNA と
言っても過言ではありません。患者様のニーズに合わせ、様々なタイプの外用剤を開発。
あらゆるタイプを永くご提供し続けることで臨床の現場に貢献しています。

パップ剤、外用ステロイド剤における
多彩なバリエーション展開

岡山大鵬は、その前身にあたる心泉医薬が設立された1943年以来、外用剤領域において、主に鎮痛消炎パップ剤と外用ステロイド剤を開発し、臨床の現場に供給してきました。
わけても水性タイプのパップ剤は国内トップクラスのシェアを誇ります。第1世代とも呼ばれるこのパップ剤は、安価で使いやすく、永年にわたり多くの人々に愛用され続けています。一方、海外では水性タイプのパップ剤が流通していない国も多くあり、当社製剤の「心地よい貼りごこち」の価値を広げるべくグローバル展開にも挑戦しています。
岡山大鵬はまた、外用ステロイド剤の開発にも永く関わってきました。患部や皮膚の状態に合わせて使用できるよう、軟膏、クリーム、ローションの3つの剤形を揃えています。
このような岡山大鵬が培ってきた外用剤のノウハウや強みを最大限に活かすため、大鵬薬品とのコンビネーションによる製品の販売、新たな製品の開発にも着手しています。
われわれの製品を必要とする人がいる限り、責任をもって製品を提供し続けること。同時にその本質を見極め、「新しい価値」を提案すること。それこそは、岡山大鵬のチャレンジ精神に他なりません。

岡山大鵬の外用剤(図)

鎮痛消炎パップ剤について

現在、パップ剤の有効成分は主にNSAIDsが使用され、有効成分の主流となっています。NSAIDsもシップ剤も、起源を遡れば、共に古代ギリシャへと通じます。NSAIDsとは非ステロイド型消炎鎮痛薬の総称であり、かの有名なアスピリンが挙げられます。
紀元前400年頃、西洋医学の父と言われるヒポクラテスがヤナギの樹皮を解熱・鎮痛効果のある生薬として使用していたという記録が残されています。ヤナギの有効成分であるサリシンがその効果を発揮していたわけですが、サリシンは生体内でサリチル酸に変化して解熱・鎮痛効果を発揮することが後の研究により明らかになりました。サリチル酸は強い解熱・鎮痛作用が期待できるものの副作用としての胃痛が強く、その副作用を軽減するために化学構造式に変化を加えた物質がアセチルサリチル酸、すなわちアスピリンです。その後、アスピリンがシクロオキシナーゼ(COX)という物質を阻害して解熱・鎮痛効果を発揮することがわかり、このCOXを阻害するNSAIDsといわれる薬剤が数多く開発されるようになりました。
一方、パップ剤の起源は、紀元前1000年頃の古代ギリシャにまで遡り、鎮痛効果のあるといわれる生薬を泥などで練ったものを身体に貼って、温めたり冷やしたりしていた民間療法といわれています。日本へは江戸時代後期に伝えられ、布などに塗って伸ばして患部に貼り付けて包帯を巻いて使用する泥状のパップ剤(現在のパップ剤に近い剤形)でした。その後、フィルムを剥がすだけで患部へ貼れる、かなり便利なタイプになったものが現在の成型パップ剤です。
現在の鎮痛消炎パップ剤は、匂いを有するサリチル酸メチルを有効成分とするタイプとにおいの少ない有効成分のパップ剤に分類できます。さらに温感タイプと冷感タイプは有効成分の違いにより皮膚の感覚(心地良さ)に違いを出しています。温感タイプは温かさを感じるトウガラシ成分のカプサイシンを配合し肩こりや腰痛などの慢性疾患に適しています。冷感タイプは冷たさを感じるメントールが配合されており、患部の腫れや熱感を伴う打撲、ねんざなどの急性疾患に適しています。

外用ステロイド剤について

岡山大鵬は、ステロイド外用剤の開発にも長らく関わってきました。ステロイドは、生体内から分泌される副腎皮質ホルモンを人工的に合成した化学物質です。基本骨格の側鎖を変更することにより、様々なステロイドが開発されています。
ステロイドの生体内における主な作用は、①血管収縮作用、②抗炎症作用、③免疫抑制作用、④細胞増殖抑制作用です。岡山大鵬では、ステロイドを皮膚の炎症を抑えるための外用ステロイド剤として開発し、販売しています。ステロイド剤は、主成分であるステロイドの種類により効果の強弱が決まっています。そのため、炎症の発生部位や症状の程度により、様々な外用ステロイド剤が使い分けられています。
また、外用ステロイド剤には、その用途により軟膏、クリーム、ローションという3つの主な剤形があります。現在ではスプレー剤やテープ剤などの他の剤形もありますが、先の3つが最も繁用されている剤形です。軟膏は、刺激が最も少なく患部を保護する作用があり、乾燥(カサカサ)した患部、湿潤(ジュクジュク)した患部のどちらにも使えます。クリームは、軟膏に比べてベタつかず使用感がよく、主に乾燥した患部に適していますが、湿潤した患部には適しません。ローションは、頭部などの有毛部分での使用に適していますが、湿潤した患部には適しません。
岡山大鵬は、患者さんの皮膚の状態に合わせて使用できるこの3つの剤形を揃えた外用ステロイド剤を提供しています。