注意すべき
自覚的副作用とその対応

監修:佐藤 温先生 弘前大学大学院 医学研究科 腫瘍内科学講座 教授

エスワンタイホウは胃癌をはじめとして、結腸・直腸癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、手術不能又は再発乳癌、膵癌、胆道癌、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法に効能を有し、その有効性及び利便性から広く使用されているフッ化ピリミジン系の抗悪性腫瘍剤です。

先発医薬品であるティーエスワンの承認時までの臨床試験における副作用発現率は単独投与で89.3%(671/751例)、非小細胞肺癌におけるシスプラチン併用投与では100%(55/55例)であり、ほぼ全例に何らかの副作用が発現していました。

そのため、エスワンタイホウ投与の継続性を高めるためには、いかに副作用をコントロールするかが重要となります。

このコンテンツでは比較的発現頻度の高い注意すべき自覚的副作用を取り上げ、患者さんのQOL、服薬アドヒアランスをより高めるため、その発現頻度、発現時期、処置、予後、対策などを解説しています。

これらの自覚的副作用について医師及び医療関係者に、発現状況、処置、対策などを理解いただくとともに、患者さん及びご家族の方に十分な理解、納得をいただくことが重要と考えています。

エスワンタイホウの副作用がコントロールされ、服薬アドヒアランスの向上に本コンテンツが貢献できれば幸です。

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